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お買いもの日記だったり、つぶやきだったり

北海道旅行3日目*母の故郷へ



もう、ずいぶん昔のTVドラマです。
北海道の廃れた炭坑の町を出て、未来を東京に求めた若者の物語。


倉本聰さんといえば「北の国から」があまりにも有名ですが、私にはこの「昨日、悲別で」のほうが印象深いのです。


母がドラマの中で時折映る北海道の風景を懐かしそうに見入っていた姿、そしてエンディングで流れる「22才の別れ」の物悲しい旋律。




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10月14日

この日は叔母家族と共に、母が幼年期から成人するまで暮らした場所に行ってきました。


札幌から車で約3時間かかる日本で一番人口の少ない市。昔は炭坑で栄え、たくさんの人が生活していたそうです。
今は市内を車で通っても人の姿をほとんど見かけません。平日だったので余計にそうかもしれませんね。若い人は市外に働きに出ているのでしょうか? 特別養護老人ホームなど高齢者向け施設が目立つなか、意外にも建物が広めな保育園を見つけて、少しホッとしたのでした。



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急な坂道ですが、叔母の話によると毎日利用した生活道路だったとか。そういえば雪の日はどうやって上り下りしていたのかしら。訊くのを忘れてしまったわ。



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母たちが実際に暮らした住宅はもう取り壊されていますが、隣の区域に同じ形の住宅が昔のままに残っていました。
近づいてみると今も人が暮らしている生活感があります。


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大きなイチョウの木が歴史を感じさせます。


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三輪車の主は保育園かな…。


生活感はあるけれど、人の気配をあまり感じません。やはり人口がとても少ないのだなあと思います。




市内の「道の駅」に行くと裏側に温泉施設があります。

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宿泊もでき、数年前に祖父母と叔母家族で温泉を楽しんだそうです。

この日の昼食はここの食堂のお蕎麦にすることに。中には市内の人と思われる方々も幾人か見かけました。所ジョージさんの番組みたいに「第1村人発見!」と言いたくなりそうでしたよ^^;


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そして近くにはサイクリングロード。ここは昔は線路だった場所です。


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炭坑と町の衰退とともに鉄道も廃線となりました。昔あった駅舎の写真が「道の駅」に展示してあります。

展示物といえばこちらも。

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石炭です。実物を見るのはこれが初めてかも。



そして「悲別ロマン座」。

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ドラマのロケで使われた建物です。
今はたまにあるイベントのときのみ使われているようですね。



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敷地内にはオブジェのように置かれているトロッコ。
実際に石炭を運んでいたのでしょうか。





祖父母たちがここを出て札幌に移ったのは、母が結婚で東京に出てからしばらく後のようです。

炭坑で事故が起こり、たくさんの人が亡くなって、たくさん悲しいことがあったので、ここを離れることにしたのだと祖母は話してくれました。やはり辛い思い出らしく、そのことを聞くことができたのは一度きりです。
そして母がこの町でどのように育ったかを色々なエピソードと共に教えてくれました。母が元気な頃には、祖母はほとんど昔話をしなかったので、それがなんだか切ないです。これで会えるのが最後かもしれないから話しておく、みたいな雰囲気を感じてしまいました…。

まだまだもっと話を聞きたいよ、おばあちゃん。